
いつかやる仕事を予定表に移す
「採用ページを直したい」「施工事例を書きためたい」「うちの強みを言葉にしたい」。住宅会社の方とお話ししていると、必ずと言っていいほど出てくる3つです。
たいてい半年前にも、同じことをおっしゃっています。1つも動いていないまま、また同じ話になる。
これは、後回しにする気持ちの問題ではなく、仕事の置き場所の問題だと思います。
やることリストの中では必ず負ける
やることリストでは、全部が同じ一行で並んでしまう。「お見積りをお送りする」も「採用ページを直す」も、同じ一行に見えます。
同じ重さで並んでいれば、手は上から順に伸びていきます。先に片づくのは、締め切りのあるほうです。お施主様も協力会社の方も、お待ちになっているからです。
締め切りのない仕事は、誰も急かしません。今日やらなくても、どなたも困りません。誰も困らないまま、半年が過ぎていきます。つまり、リストの中に置いてある限り、大事な仕事ほど負け続けてしまいます。
だから、リストから出してしまう。出す先が予定表です。
まず4つに分けて1つだけ取り出す
いま抱えている仕事を、4つに分けてみてください。
- 締め切りのある仕事。日付があって、人が待っているもの。お見積り、お引き渡し、ご返事。
- 締め切りのない大事な仕事。誰にも急かされないのに、来年の受注や採用を決めてしまうもの。採用ページ、施工事例、強みの言語化。
- 返すだけの仕事。5分で終わるご返信や承認。
- やらなくてもいい仕事。やめても誰も困らないもの。毎月作っているけれど、誰も見ていない資料など。
4つ目は、見つけたその場でやめて構わないと思います。念のため確認したいときは「来月は出しませんが、困りますか」と聞いてみてください。困ると言われることは、ほとんどありません。
そして、予定表へ移すのは2つ目だけです。残りはリストに置いたままにします。4つに分けるのは、2つ目を見つけ出すためだけの作業です。
予定に書くときの3つの条件
ここが肝心なところです。予定表に移すときは、3つ条件をつけます。動詞で書く。長さを決める。終わりの形を書く。
「採用」とだけ書いてある枠は、その時間になっても手がつきません。中身が決まっていないので、まず何をするか考えるところから始まって、そのうち現場から電話が入ります。
住宅会社さんの実務で、前と後を並べてみますね。
- 「採用」→「求人票の1行目を3案書く。60分。3案が紙に並んでいれば終わり」
- 「施工事例」→「先月お引き渡しした1件について、ご相談に来られた時の状況を1行書く。30分」
- 「写真」→「完成写真の中から、暮らしが写っている10枚を選ぶ。45分」
- 「発信」→「来月の投稿ネタを10個出す。45分。10行のメモができていれば終わり」
下の書き方なら、その時間になった瞬間から手が動きます。取りかかれる形で書いてあるかどうか。ここで差がつきます。
3つ目の「終わりの形」も外せません。書いていないと、60分経ってもまだ手を入れたくなって、気づけば2時間経っています。1度そうなると、翌週から同じ枠を置くのが怖くなります。「3案書けたら終わり」と先に決めておけば、決めた時間で切り上げられます。
置けるのは週に3つまで
1週間は5日ですから、1日1つで5つ置けそうに見えます。ただ、実際にはまず入りません。急ぎのご相談も、現場の対応も入ってきます。5つ置いた週は、たいてい全部が中途半端なまま来週送りになります。
3つにしておけば、1つ流れても2つは手元に残ります。2つ残った週は、確実に前へ進んでいます。
それともう1つ、3つに絞ると順番をつけざるをえません。どれから手をつけるかを、その場で決めることになります。裏を返せば、今週は手をつけないものも、そこではっきりします。
どれも大事に見えて絞れないときは、こう聞いてみてください。これをやらないまま1年経ったら、いちばん困るのはどれか。この問いを通すと、たいてい順番が見えてきます。
今週やっていただきたいこと
まず、締め切りのない大事な仕事を紙に出してみてください。10分もあれば足ります。7つか8つは出てくると思います。
その中から3つだけ選んで、来週のカレンダーに入れてしまいます。さきほどの3つの条件で書き、長さは60分から90分。時間帯は、朝いちばんか、現場からの電話が落ち着く頃。打ち合わせのご予定と同じ重さで扱って、あとから動かさないようにします。
選ばなかった残りは、来週は見なくてかまいません。3つ片づいたら、次の週にまた3つ選び直します。
はじめのうちは、3つのうち1つか2つは流れます。それでも構いません。これまで年に1件も動かなかった仕事が、月に1つ2つ動くようになれば、1年後の景色はだいぶ変わります。流れたものは、次の週の同じ時間にそのまま置き直してください。



