Scroll
Journal ジャーナル
実績と割引は、見出しの下に回す
2026.09.16

実績と割引は、見出しの下に回す

チラシやLPの一番上に、何を大きく書くか。住宅会社の集客物でよく見かけるのは、施工実績の棟数、住まいの性能の数字、今月の契約特典の三つです。どれも本当のことで、どれも伝えたいことだと思います。

ただ、この三つを一番上に置くと、読む人の目には、近所で配られている住宅会社のチラシと同じに見えやすくなります。同じに見えたものは、最後に値段で比べられます。

強みを先に出すと値段で比べられる

強みや実績を一番上に並べる書き方は、書いた側の正しさで読む人を動かそうとするものです。読む人は、売り込まれている、と感じたところで読むのをやめてしまいます。

読む人がまず確かめるのは、そこに自分のことが書いてあるかどうかです。お店の話ばかりが続くと、自分には関係ないものとして通り過ぎていきます。

家を建てたい、の下にあるもの

家を建てたい、は表に出てくる要望です。どの住宅会社もこの言葉にはもう答えているので、ここで比べられます。

本当の困りごとは、その下にあります。ふだんの生活の中で、手間や気持ちを少しずつ取られているところです。たとえば問い合わせフォームに、「アパートの下の階に、子どもの足音で気をつかう毎日です」と書いてくる方がいたとします。書いてあるのは、夕方の部屋の場面です。

見出しにしたいのは、こちらの言葉です。本人がまだうまく言葉にできていない困りごとを、本人の口から出てきた言葉のまま、先に見出しに書く。読んだ人が、そうそう、それで困ってた、と思えたら、問い合わせるかどうかはその人が自分で決めていきます。

美容室の口コミから見出しを作る

住宅以外の例もひとつ挙げます。美容室の表の要望は、似合う髪型にしたい、です。

ところが三十件ほど口コミを読んでいくと、何度か同じ話に出会います。以前通っていたお店で、お願いした長さより短くされてしまった、という話です。この言葉から見出しを起こすと、こうなります。

「切る前に、鏡の前で長さを一緒に決めます。」

似合う髪型、おしゃれな髪型、という言葉より、一度がっかりした経験がある人に届くのは、こちらの一文です。

一番上から順に置くもの

実績の数や割引も、ちゃんと載せます。載せる位置を、見出しより下にずらします。

  • 一番大きな文字:見込み客の困りごとを、本人の言葉で言い当てる見出し
  • その下:実績、性能、価格、特典。見出しを読んで自分の話だと感じた人が、比べて決める段階で目を通すもの
  • 置かないもの:今すぐお申し込みを、残りわずか、のように最後に背中を押す言葉

チラシでも、LPのファーストビューでも、SNS広告の一文目でも、同じ順番で組めます。

並べ替えたあとに見るところ

順番を入れ替えて出したら、問い合わせの最初の一言を見ます。

見出しが困りごとを言い当てていると、「いくらですか」から始まる問い合わせが減ります。代わりに、見出しの言葉をそのまま引いた問い合わせが増えてきます。数が同じでも、一言目が変わっていれば、並べ替えた順番は読む人に届いています。

見出しの言葉は、会議で考えるより、届いた問い合わせ文や口コミの中から拾うほうが確かです。直近の問い合わせ文を二十件ほど読み、お客さんの言葉を言い換えずに書き出して、いまの見出しと並べてみる。一度も出てこない言葉が見出しになっていたら、そこが入れ替える場所です。