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Journal ジャーナル
デザインの良し悪しは目的を決めてから見る
2026.09.16

デザインの良し悪しは目的を決めてから見る

デザインの案がいくつか並んだとき、どれにするかを「好きかどうか」で決めてしまうことがあります。社内で回して、いちばん評判のよかった案に決める。決め方として自然ですし、悪いことでもありません。ただ、それだと、なぜその案なのかを誰も説明できないまま進んでしまいます。

ビジネスのデザインには先に目的がある

先日、デザイナーに向けて話をしました。デザインにダメ出しをされて落ち込んだとき、どう考えるか、という話です。そこで伝えたかったことの一つが、ビジネスのデザインにはその前に必ず目的がある、ということでした。

問い合わせの数、商品の売れ行き、会社の魅力、採用への応募、ブランドの価値。どれを動かしたいのかが先にあって、デザインはそのために使うものです。見た目そのものがゴールになる場面は、仕事ではまずありません。

だから僕はデザイナーに、自分がこういうデザインを好きだから、という理由だけでつくるものではない、と話しています。同じことは、選ぶ側にも言えると思っています。

目的が変わると選ぶ案も変わる

たとえば、町の写真館がパンフレットをつくるとします。案が二つ出てきました。一つは、季節の小物と子どもの写真を大きく使った、にぎやかな案。もう一つは、余白を多くとって家族写真を一枚だけ置いた、落ち着いた案。

目的が「七五三の予約を増やしたい」なら、にぎやかな案のほうが合っているかもしれません。目的が「家族の記念日に、毎年撮りに来てもらいたい」なら、落ち着いた案のほうが伝わりそうです。どちらが良い案かは、目的を決めるまで決まりません。

好き嫌いで選んだ案は、あとで迷ったときに、選んだ理由を誰も言えません。目的で選んだ案なら、なぜこれにしたのかをいつでも説明できます。

案を見る前に目的を一つ書く

手元でできる確かめ方があります。

  • 案を開く前に、このデザインで何を起こしたいのかを一つだけ書いておく
  • 案ごとに、その目的に対してどうかをひとことずつ添える
  • 迷ったら、この会社の価値を伝えるにはどんな見せ方がいちばんいいか、に戻る

目的を一つに絞れないときは、まだ案を見る段階に来ていないのかもしれません。先に、何を起こしたいのかを社内で話すところからです。

届け先を先に決めておく

デザインは、誰かの価値を誰かに届けるためにつくるものです。選ぶ側も届け先を先に決めておくと、並んだ案の見え方が変わってきます。