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ブランドコンセプトは企業らしさの延長にある

DATE . 2024.01.10

UPDATE DATE . 2024.02.10

Category : ブランディング / 自社プロジェクト

Nakamura Hiroki
ジャーナルを書いた人Nakamura Hiroki

Creative Director

1981年生まれ|ブランドマネージャー1級/インターナルブランディング 認定コンサルタント プラクティショナー/WEBマーケティング検定/ネットショップ販売士/WEBデザイン技能士

ブランドコンセプトは企業らしさの延長にある

今日は「ブランドコンセプトは企業らしさの延長にある」というテーマでお話ししたいと思います。
バリバリのフィクション話です。

tone villageという施設を作っています。

僕たちの事を追いかけて頂いている方はすでにご存知かも知れませんが、
2023年6月にネイルサロン、トリミングサロン、カフェ、スクール、
デザイン事務所が集まった複合施設「tone village」をオープンしました。

コロナでリアル店舗に投資するのはどうなの?と思われる方も多いかもしれません。

ましてやデザイン事務所に至ってはリモートワークが普及してるので、事務所不要論さえ飛び交っています。

僕は世の中のデジタル化が少しだけ進んだ今だからこそ、アナログの重要性を改めて感じていて。
今後デジタル化が進めば進むほど、アナログが改めて見直されるんじゃないかなと思っています。

例えば、業務連絡的な打ち合わせはリモート会議でよくて、
対面で会って話をする必要がある時はきちんと向かい合って打ち合わせしようね!と、
状況や目的に合わせてデジタルとアナログを使い分けていく。

店舗の在り方も同じで、身の回りの消耗品は通販で購入して、
自分がこだわりたい物に関しては、実物を店舗で見て、店舗で購入する。

こんな風に、デジタルとアナログを使い分ける文化が、もっともっと根付いてくると思っています。

tone villageはそんなデジタルとアナログを上手に融合させた施設を目指しているのです。

実験好きな僕は、デジタル×アナログの掛け算から、
どんな化学反応が起こるのかとっても楽しみにしています。

まずはじめに取り掛かったのは「コンセプト設計」

今回の施設は、ほぼゼロから作っています。

ネイルサロンに関しては以前から運営していたものの、
カフェの立ち上げも、トリミングサロンの立ち上げも初めて。

クライアントさんのオープンなどではお手伝いさせていただくことはあったものの、実地経験はほぼない状態。

なーんにもないところからつくってきた施設です。

建物の設計や備品の調達、取引先の選定や働く人の確保。

とにかく決めるべきこと、やるべきことが多い中で、最も僕が時間をかけたのが、
施設の軸となる「コンセプト設計」でした。

そこに費やした時間は数ヶ月。

コンセプトを作っている間、当然、焦りもありました。

やならければいけないことは山積み。
考えても1mmも前に進まない日もあり。

でもコンセプトなくしてはブランディングができない。
コンセプトの需要性を誰よりも理解していた僕は、数ヶ月時間をそこに費やしたのです。

そして生まれたコンセプトは
「それぞれの「らしさ」溢れる日常を。」でした。

コンセプトはこうして生まれた

新しい事業を始める時、「ただ儲かりそうだから」とか
「流行っているから」といった軽いノリで始めると、大抵うまくいきません。

なぜなら、そんな安易な考えは簡単に見透かされ、
目の肥えた現代の消費者の財布の紐を開けることが難しいからです。

モノや体験が溢れた現代の人々は、
商品やサービスが生まれた思いや背景に共感し価値を感じていたりします。
(それの対価としてお金を払っている)

だから、お客さまや働く人にとってtone villageが、
なぜ生まれたのか、どんなビジョンを叶えようとしているのかといった
「コンセプト=意味」がめちゃくちゃ大事だったりするわけです。

今回コンセプトを作るにあたって、会社のビジョンやパーパスとの一貫性を強く意識しました。

なぜなら、会社としてのビジョンを達成するための新事業(手段)なので、
作り上げたコンセプトと、会社の概念・価値観との間に齟齬があってはいけないからです。

まずは自社の概念・価値観を整理し、具体化することから始めたのですが、
その思考の流れをご紹介したいと思います。

会社の理念・ビジョンは「シアワセをデザインする」です。

私たちの考えるシアワセとは
「心身ともに豊かな気持ちで溢れ、彩りある毎日(人生)を過ごせることとしています。

豊かな気持ちでいるためには、ユニークなポジションを築き、競争に巻き込まれないこと。
そして彩りある毎日を過ごすためには、希望が持てることが大切だと考えています。

そんな理念から生まれたパーパス(企業の存在意義)は、
「デザインを通して豊かで彩りある社会の実現を」です。

そしてパーパスを達成するために、やらなければいけないミッションとして
「デザインで価値を最大化する」必要があると考えました。

デザインで価値を最大化する手段として、自社のサービスである
ブランディング、ホームページ制作、デザイン制作があるという建て付けになるのです。

僕たちはデザインという手段を用い、お客様の価値を高めることで、
豊かで彩りのある社会の実現を目指しているのです。

こんな感じで改めて自社の価値観を見直し、整理をしていると気づきがありました。

これまで僕たちは上記の価値観をもとに、BtoB向けにお仕事をしてきました。
新たに始動させる事業「tone village」では、その価値観を維持しつつ、
市場がBtoCに変わっただけであるという点に。

これまでは企業の価値をブランディング・デザインという手段を用いて高めてきました。
新事業では個人のライフスタイルを、ブランディング・デザインという手段を用いてアップデートするお手伝いをしていきたい。

個人がアップデートし、それぞれの価値が高まることで、
パーパスである豊かで彩りのある社会をつくることにつながるのではないかと考えたのです。

一人ひとりが自分らしく(今の自分に納得している状態)、生きるためのお手伝いをすることこそが、
tone villageという施設の意味でありコンセプトであることにたどり着きました。

そこから
「それぞれの「らしさ」溢れる日常を。」
というコンセプトが生まれたのです。

ブランドコンセプトは企業らしさの延長にある

コンセプトはムリクリに作り出すものではないと思っています。
響きだけを重視した言葉を並べたり、借り物の言葉を連ねたコンセプトは、
どこかで矛盾が生まれブランドにブレが生じてしまいます。

自分達らしくないコンセプトをかかがてしまうと、
日々ブランドに接触する消費者が混乱してしまうからです。

コンセプトを作るときは、「なぜ会社が存在しているのか」から始まり、
「なぜその事業をやるのか」についてとことん掘り下げて考えることで、
ムリのないその企業らしいコンセプトが生まれるはずです。

ブランドコンセプトは企業らしさの延長にあるのですから。

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