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住宅会社のブランディングは難しい

DATE . 2024.06.07

Category : ブランディング

Nakamura Hiroki
ジャーナルを書いた人Nakamura Hiroki

Creative Director

1981年生まれ。23歳の時に独立し、3度の独立を経て株式会社アプリコットデザインを設立。数千ものクリエイティブを生み出しながらも、クライアントの成果を最大化するためブランディングを取り入れ始める。現在はデザイン会社からブランディング会社へとシフト。2023年には、カフェなどが集まる複合施設tone villageの運営を開始。

ブランドマネージャー1級/インターナルブランディング 認定コンサルタント プラクティショナー/WEBマーケティング検定/ネットショップ販売士/WEBデザイン技能士

住宅会社のブランディングは難しい

こんにちは、中村です!

うちの会社のクライアントさんには、住宅会社が多くあります。
その中でも、ブランディングを支援させていただく際に、難しいなぁと思うことがあります。

その一つが、ほとんどの人が一生のうちに家を建てるのは1軒か2軒だけという点です。

ブランディングとは、自社のユニークなブランドイメージを生活者に広めていく活動です。
しかし、ブランドイメージを浸透させるには時間がかかります。
生活者がそのブランドと接触し、何度も体験を重ねることで、徐々にそのブランドのイメージが形成されていきます。

生活者が家を建てたいと思った時から、「どこの住宅会社で家を建てようか」と情報を集めて検討を始めます。
住宅は多くの場合、住宅ローンを組むことになりますが、年齢が上がるにつれてローンを組みにくくなります。

例えば、34歳の人が35年のローンを組んだ場合、ほぼ70歳まで支払いが続くことになります。
年を取ると、そもそも35年ローンが組めなくなることもあります。

したがって、家を建てたいというニーズが出た時から購入までの期間はそれほど長くありません。
これにより、「この住宅会社がいい」という評価を得るのは、ブランディングとしては難しい課題です。

住宅だけでなく、僕が現在関わっているこども園のブランディングも同様です。
子どもを預けたいというニーズが生まれてから、実際に預けるようになる期間はそれほど長くありません。

限られた時間の中で、自社のユニークなブランドイメージを伝えて選んでもらうのは、かなりの挑戦だと感じています。

そのためには、ニーズが具体化する前に、生活者に対して強いブランドイメージを植え付けることが重要です。

つまり、家が欲しいな!と思ったときにすぐに「どこの会社で家を建てようかな」と悩むのではなく、
家を建てる前から「将来はあの会社で家を建てたい」と思わせるようなブランドを築くことが必要です。

これには、ブランディング活動を通じて、
長期的な視点で一貫したメッセージと体験を提供し続けることが求められます。

ニーズには潜在的なニーズと顕在的なニーズがあります。

家を建てたいと思う瞬間、どの会社で家を建てるかを検討するのが顕在的なニーズです。
これは具体的な行動や選択に直結しているニーズです。

一方で、家を建てる前の段階で、「いつかは家が欲しいな」と考えている状態が潜在的なニーズです。
この段階では、まだ具体的な行動には移っていませんが、将来的には行動に移す可能性がある状態です。

この潜在的なニーズをいかにして顕在的なニーズに変換できるかが、ブランディングの鍵となります。

生活者が「家が欲しい」と感じたときに、自社の名前が真っ先に思い浮かぶように影響を与えるためには、
継続的なコミュニケーションと価値提供が不可欠です。

そのためには、イベント参加、情報提供、コミュニティ作りなどを通じて、
長期にわたって関係を築く努力が求められます。

企業としては、顕在的なニーズにも応えながら、潜在的なニーズを持つ人たちに対して、
自社のブランドイメージをどう植え付けるかを考えることが重要です。

顕在的なニーズには直接的なマーケティング手法が効果的です。
これには、広告キャンペーン、SEO対策、雑誌やメディアへの出稿などが含まれ、
これらはすでにニーズを持っている顧客をターゲットにしています。

一方で、潜在的なニーズに対するアプローチは、
生活者がまだ具体的な購入意思を持っていない段階で関心を引き、
ブランドに対する好意を育てることを目指します。

たとえば、将来的に家を建てたいと考えている人々に向けて、
家づくりの楽しさや満足感を伝えるコンテンツを提供したり、
住宅展示イベントやセミナーを開催することで、ブランドとの関連性を高める情報を提供します。

このように、潜在的なニーズを持つ生活者には、興味や情熱を引き出す内容を通じて、
ブランドへの愛着を深める機会を提供することが重要です。

これにより、ニーズが顕在化した際には自社の製品やサービスが選ばれる可能性が高くなります。

どちらのアプローチも組み合わせて使うことで、消費者の異なる段階に効果的に対応し、
長期的に顧客との関係を築いていくことが可能になるはずです。

ニーズが発生してから、購入の意思決定までの期間が短いような商品・サービスを提供している場合、
潜在的なニーズに対してアプローチを行い、ある程度一定のファンを育てておくことが大切ですね。

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