
誘いは、空きでなく使い道で決める
お店や会社を続けていると、いろいろな声がかかります。地域のイベントへの出店、冊子への掲載、同業の集まり、一緒に何かできないかという相談。
受けるかどうかを決めるとき、まず見るのは予定表だと思います。その日が空いているかどうか。空いていれば受ける、埋まっていれば断る。
空いているかと何に使いたいか
予定が入っていない日は、たしかにあります。それでも、予定の入っていない日と、使い道の決まっていない日は、同じではないと思っています。仕込みに使いたい日かもしれないし、写真を撮り直したい日かもしれない。予定表に書いていないだけで、使い道が決まっている時間はあります。
だから、空いているかどうかではなく、何に使いたいかで考える。それだけで、受ける話と断る話の選び方が変わってきます。
写真スタジオで考えてみる
ここからは作例です。家族写真を撮っている写真スタジオに、地域のイベントで記念撮影のブースを出してほしい、という声がかかったとします。日曜の午前は、まだ予約が入っていません。
空いているかで決めるなら、答えは出ます。空いているから出る。
何に使いたいかで決めると、別の答えも出てきます。この店は、七五三の前撮りを、時間をかけて相談しながら決めていくことを大事にしている。日曜の午前は、その相談をまとまって受けられる数少ない時間になっている。そうであれば、出ないという答えのほうが、この店らしい。
逆に、家族写真を撮ったことのない人に、一度会ってみたい時期なら、出るという答えになります。どちらが正しいということはありません。決め手が、空きから使い道に変わっているかどうかです。
理由を並べなくていい
断ると決めたあとで、長い説明を書こうとして止まることがあります。予定があって、人手が足りなくて。理由を足すほど、言い訳に近づいていきます。
声をかけるほうに自由があるのと同じで、声をかけられたほうにも断る自由がある。声をかけてくれたことには感謝する。そのうえで、今回は見送る。それで足ります。
誘ってもらったから、断ったら悪いから、付き合いだから。この三つだけが理由になっていたら、いったん止まってみる価値はあると思っています。
やらないと決めたことが店の形になる
何でも引き受けていると、予定は埋まっていきます。一つ一つは数時間でも、積み重なると、本当にやりたかったことに使える時間が減っていきます。時間は増やせません。
何を始めるかと同じくらい、何をやらないと決めたかで、店の形は決まっていくのだと思います。



