
同業でうまくいった話は、条件から見る
同業のお店がうまくいった話は、よく耳に入ってきます。
この出し方に変えたら行列ができた。この投稿を始めたら予約が埋まった。聞くと、すぐ試したくなります。先に誰かが試してくれているなら、外しようがないように思えるからです。
その成功には条件がついている
うまくいった話には、必ず条件がついています。お店の広さが違う。立地が違う。扱っているものも、始めた時期も違う。店主の性格まで違います。
同じ手を打って同じ結果になることのほうが、たぶん少ない。あの店でうまくいった話をそのまま持ち帰っても、うちで同じにはならないのだと思います。
だから話を聞いたときは、やったことより先に、その店がどういう状態だったのかを聞くようにしています。
何を成功と呼ぶかは店で違う
そもそも、何を成功と呼ぶかがお店ごとに違います。
お客様の数が多いほどいい、とは限りません。少ない人数でも、じっくり話して選んでもらえるほうがいい、というお店もあります。数を増やしたいお店もあれば、規模を変えずに、働く時間と利益を守りたいお店もある。お店が何を大事にしているかで、答えのほうが変わってきます。
パン屋さんで置き換えてみる
ここからは作例です。夫婦でやっているパン屋さんが、隣町のパン屋さんの話を聞いたとします。夕方の投稿を毎日続けたら、閉店前の残りが出なくなった。
条件を並べてみます。隣町の店は駅から歩いて三分で、会社帰りの人が前を通ります。焼き上がりは一日三回。投稿しているのは、レジに立たないご主人でした。
置き換える側は、車で来るお客様がほとんどです。焼くのは朝の一回で、夕方は二人ともレジと片づけに入っています。同じ時間に投稿しても、見る人の数も、続けられるかどうかも、同じにはなりません。
ここまで並べると、持ち帰る場所が変わります。夕方の投稿より先に、焼き上がりが一日一回であることをどう伝えるか。そちらが先になります。よその店の話は、条件の一覧として聞くと使えます。
元に戻せる形で決める
条件を置き換えても、やってみるまで分からない部分は残ります。そこで決め方のほうに手を入れます。
元に戻せる形で決める。全部を入れ替える前に、曜日を決めて回してみる。戻し方が先に見えていれば、決めるのが重くなりません。
決めた日と、様子を見た日と、直したところ。この三つを書いておくと、次に迷う時間が短くなります。勘が当たるようにはならなくても、直すまでの時間は縮んでいきます。
条件を決めるのはお店の人
調べれば、やり方はいくらでも出てきます。条件が揃った問いなら、答えはすぐ手に入る時代です。
その条件を決めるところが、お店に残ります。誰に来てほしいか。何を大切にするか。何をやらないか。どこまで大きくするか。ここに、よそのお店の答えは使えません。
よその店の話を集める時間を、自分の店の条件を書き出す時間にすこし回してみる。そのほうが、迷う時間は減るのだと思います。



