広報PR部署は中小企業に必要なのか?
DATE . 2024.05.02
UPDATE DATE . 2024.05.09
Category : 広報・PR
Branding Director
周囲からブランディングバカと言われるほど四六時中ブランディングやクリエイティブを探求している。
目標は変化を願う方の挑戦を誰よりも強く支えられる人になること。
© 2024 TONE BRANDING.
DATE . 2024.05.02
UPDATE DATE . 2024.05.09
Category : 広報・PR
Branding Director
周囲からブランディングバカと言われるほど四六時中ブランディングやクリエイティブを探求している。
目標は変化を願う方の挑戦を誰よりも強く支えられる人になること。
ブランディングディレクターの萩原です。
今日は「広報PR部署は中小企業に必要なのか?」というテーマついて書いていきたいと思います。
はじめに、弊社でも広報PR部署を立ち上げてみての今回の記事の結論になりますが、
広報PR担当を情報発信してくれる人として考えている場合、専任をつけることはお勧めできない。
顧客も含めたステークホルダーと良好な関係性を築くことを目的とするならば120%お勧めしたい。
これが本記事の結論になります。
そう思う理由や背景を書いていきたいと思います。
Contents
弊社では、2023年の下半期から本格的に広報PR部署を設置しました。
僕たちの仕事は企業に対してブランディングの支援やWEB制作/運用をメインとしているので、
普段の仕事の中でもクライアント企業の広報PRを担うことは多々あります。
ですが、正直なところ自社の広報PRはあまり目を向けてきませんでした。
シンプルに時間がなかったというのが理由の一つ(言い訳)ですが、
もう一つ大きな理由としては、弊社ではスタッフ全員が「ブログを書く」という習慣が根付いており、
さらには代表の中村さんが社長ブログを高い頻度で更新していたので会社の考え方や活動を絶えず周囲に伝達していました。
そのためあまりリソースを割けていない状況ではありましたが、
ナチュラルに広報PR的な活動を実践しており、あまり必要性を感じてこなかった面があると思います。
ではなぜこのタイミングで広報PR部署を立ち上げたのか、わざわざ専任を設けたのかというと、
適任者が現れたというのもありますが、その他にも2つほど大きな理由がありまして、
1つは「ブランディング×広報PR」を強化することに大きな可能性を感じたこと。
詳しい内容は以前ブログに書いたのでそちらを読んでいただきたいと思いますが、
ざっくり言うと、ブランディングと広報PRは切っても切れないくらいの関係性であり、
両方の技術や視点をうまく融合していくことでブランド価値向上やファンづくりをさらに強化できると考えたからです。
(もちろんクライアントへのサービス向上も見据えての取り組みです。)
▼詳しくは下記をご覧ください。
https://tone-branding.jp/journal/branding-pr/
そして2つ目が、今までのやり方では様々な環境の変化によって、
会社の一貫性を伝えることが困難になったからです。
現代はVUCA(「ブーカ」Volatility/変動性、Uncertainty/不確実性、Complexity/
複雑性、Ambiguity/曖昧性、の頭文字を取った造語)の時代と言われるように、
将来の予測を立てることが困難になっています。
もちろんそんな時代なので市場(ニーズ)の変化も激しい。
そうなると会社としても絶えず変化していかなければなりません。
変化が求められ、あれやこれやと施策を繰り返したり、事業が複数になったりすると、
いつしか会社として一貫している部分が奥底に隠れてしまいます。
それと同時に自社ならではの魅力・価値も明確に言語化しづらくなるものです。
実際、弊社も2023年はそんな状況にありました。
だから、日々の小さな活動すら価値と認め、ひょいと拾い上げてくれる人。
拾い上げた価値を上手に編集し一貫性を保ちながら
ステークホルダーに伝え信頼へと繋げられる人。
会社の成長、環境の変化に対応するうちに、
そういった役割を担う部署の設立が急務になったわけなんです。
ここからは実際にあれこれ運営してみてのお話です。
広報PRの役割をメインで全うしてくれている横田さんとあれこれ試行錯誤しながら進めてきて思うことは、
ブランディング、マーケティングの考え方や視点がなければ広報PR部署は機能しないということです。
広報PRの大きな課題の一つは単なる発信屋さんになってしまうことです。
任命された担当者がそこまでの知識を蓄えられていない(興味もない)。
というのはよくある原因の一つですが、
その他には、そもそもマネジメント層が情報発信屋さん的な役割しか与えられていない。
もしくは会社の情報をあまり渡せていない。
というのも原因として考えられます。
「これは会社として周囲に伝えなければならん!」というマネジメント層からの企画に対して、
背景を何も考えずに文章を作成しHPなどでお知らせする…
これではお知らせすること自体が目的になり、
広報PRのほんの一部の仕事しか担えていません。
広報PRとして見失ってはいけない目的は、
ステークホルダー(企業に関わる大切な人)の方と長期的に良好な関係性をつくり出すことであり、
WEB上での発信はそのための手段に過ぎないということ。
ステークホルダーと良好な関係性を築くためには、
・市場や社会環境の理解
・会社の事業戦略(ブランディングやマーケティング)の理解
・会社のMVV(ミッション/ビジョン/バリュー)の理解
は欠かせず、加えて客観的視点も持ち合わせながら上手に文脈を構成する必要もあります。
これらができてやっと発信です。
実際に今回広報PR部署を設置し活動を続けていく中で、
この重要性を強く肌で感じました。
広報PRの基礎概念に関しては、メインで担当してくれている横田さんが、
より丁寧に解説してくれているので下記の記事をご参考ください。
https://apricot-design.com/staffblog/staffblog-74844/
お客様に一貫性を伝えることの重要性をお話しすると、
「うちにはそんなのないかも…」
「一貫している点があってもどう伝えたら良いかわからない」
というお声をよくいただきます。
確かにその気持ちはよく理解できて、
僕自身も自分の一貫性を伝えようとしても上手にできる自信はありません。
なぜなら自分に対する固定概念を排除しきれないからです。
僕自身が普段当たり前にしていることが、
他人から見たら、「それ、めちゃくちゃいいですね!」と言われることもある。
ダラダラ雑談していたら、「その意見は共感する人が多いだろうし萩原さんらしさもあるので、
今度どこかで発信しましょう!」と言われることもある。
長く一つの視点の中で生きていると、見えなくなることも増えてきます。
価値の発見や伝達には、視点が複数あって損はありませんし、
その視点が確かなものであれば尚更取り入れるべきだと僕は思います。
自分以上に自分の良いところを発見し、発信して関係性を構築してくれる人。
経営者以上に自社の良いところを発見し、戦略を考慮した上で発信して関係性を構築してくれる人。
今回広報PR部署を自社で立ち上げてみて、改めてこの存在の大きさに気付かされました。
(同時に現在提供しているブランディングもより強化していく必要があると感じました。)
今後日本の市場は縮小していくことは間違いありません。
そうなると「数」で勝負を続けていくのはあまりにもリスクが大きく、
単価の向上(値上げ)やファンの獲得はどんな企業においても課題の一つだと思います。
大手企業に資本力で劣る中小企業は特にです。
そうなると今後中小企業にとってはさらに「ブランディング×広報PR」の掛け算は重要性が増していきます。
ここでもう一度本記事の結論になりますが、
広報PR担当を情報発信してくれる人として考えている場合、専任をつけることはお勧めできない。
顧客も含めたステークホルダーと良好な関係性を築くことを目的とするならば120%お勧めしたい。
後者の場合は、経営と近い距離で仕事ができなければ役割を全うできません。
(ただ、客観性を保つために、あまり近づきすぎもせず、ほどよい距離感で。)
広報PR部署(担当者)に対して何を求めていて、
どんな責任を持たせるか次第で担当者のパフォーマンスや
専任をつけたことによる意味も大きく変わってきます。
そしてブランディングやマーケティングの視点も養えるよう教育に力を入れることも重要になってくると思います。
それではまた!
DATE . 2024.02.29
UPDATE DATE . 2024.05.09
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Category : ブランディング / 広報・PR
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Category : ブランディング / 広報・PR
DATE . 2024.02.29
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Category : ブランディング / 広報・PR