住宅会社のブランディングは難しい
DATE . 2024.06.07
Category : ブランディング
Creative Director
1981年生まれ|ブランドマネージャー1級/インターナルブランディング 認定コンサルタント プラクティショナー/WEBマーケティング検定/ネットショップ販売士/WEBデザイン技能士
© 2024 TONE BRANDING.
DATE . 2024.06.07
Category : ブランディング
Creative Director
1981年生まれ|ブランドマネージャー1級/インターナルブランディング 認定コンサルタント プラクティショナー/WEBマーケティング検定/ネットショップ販売士/WEBデザイン技能士
こんにちは、中村です!
うちの会社のクライアントさんには、住宅会社が多くあります。
その中でも、ブランディングを支援させていただく際に、難しいなぁと思うことがあります。
その一つが、ほとんどの人が一生のうちに家を建てるのは1軒か2軒だけという点です。
ブランディングとは、自社のユニークなブランドイメージを生活者に広めていく活動です。
しかし、ブランドイメージを浸透させるには時間がかかります。
生活者がそのブランドと接触し、何度も体験を重ねることで、徐々にそのブランドのイメージが形成されていきます。
生活者が家を建てたいと思った時から、「どこの住宅会社で家を建てようか」と情報を集めて検討を始めます。
住宅は多くの場合、住宅ローンを組むことになりますが、年齢が上がるにつれてローンを組みにくくなります。
例えば、34歳の人が35年のローンを組んだ場合、ほぼ70歳まで支払いが続くことになります。
年を取ると、そもそも35年ローンが組めなくなることもあります。
したがって、家を建てたいというニーズが出た時から購入までの期間はそれほど長くありません。
これにより、「この住宅会社がいい」という評価を得るのは、ブランディングとしては難しい課題です。
住宅だけでなく、僕が現在関わっているこども園のブランディングも同様です。
子どもを預けたいというニーズが生まれてから、実際に預けるようになる期間はそれほど長くありません。
限られた時間の中で、自社のユニークなブランドイメージを伝えて選んでもらうのは、かなりの挑戦だと感じています。
そのためには、ニーズが具体化する前に、生活者に対して強いブランドイメージを植え付けることが重要です。
つまり、家が欲しいな!と思ったときにすぐに「どこの会社で家を建てようかな」と悩むのではなく、
家を建てる前から「将来はあの会社で家を建てたい」と思わせるようなブランドを築くことが必要です。
これには、ブランディング活動を通じて、
長期的な視点で一貫したメッセージと体験を提供し続けることが求められます。
ニーズには潜在的なニーズと顕在的なニーズがあります。
家を建てたいと思う瞬間、どの会社で家を建てるかを検討するのが顕在的なニーズです。
これは具体的な行動や選択に直結しているニーズです。
一方で、家を建てる前の段階で、「いつかは家が欲しいな」と考えている状態が潜在的なニーズです。
この段階では、まだ具体的な行動には移っていませんが、将来的には行動に移す可能性がある状態です。
この潜在的なニーズをいかにして顕在的なニーズに変換できるかが、ブランディングの鍵となります。
生活者が「家が欲しい」と感じたときに、自社の名前が真っ先に思い浮かぶように影響を与えるためには、
継続的なコミュニケーションと価値提供が不可欠です。
そのためには、イベント参加、情報提供、コミュニティ作りなどを通じて、
長期にわたって関係を築く努力が求められます。
企業としては、顕在的なニーズにも応えながら、潜在的なニーズを持つ人たちに対して、
自社のブランドイメージをどう植え付けるかを考えることが重要です。
顕在的なニーズには直接的なマーケティング手法が効果的です。
これには、広告キャンペーン、SEO対策、雑誌やメディアへの出稿などが含まれ、
これらはすでにニーズを持っている顧客をターゲットにしています。
一方で、潜在的なニーズに対するアプローチは、
生活者がまだ具体的な購入意思を持っていない段階で関心を引き、
ブランドに対する好意を育てることを目指します。
たとえば、将来的に家を建てたいと考えている人々に向けて、
家づくりの楽しさや満足感を伝えるコンテンツを提供したり、
住宅展示イベントやセミナーを開催することで、ブランドとの関連性を高める情報を提供します。
このように、潜在的なニーズを持つ生活者には、興味や情熱を引き出す内容を通じて、
ブランドへの愛着を深める機会を提供することが重要です。
これにより、ニーズが顕在化した際には自社の製品やサービスが選ばれる可能性が高くなります。
どちらのアプローチも組み合わせて使うことで、消費者の異なる段階に効果的に対応し、
長期的に顧客との関係を築いていくことが可能になるはずです。
ニーズが発生してから、購入の意思決定までの期間が短いような商品・サービスを提供している場合、
潜在的なニーズに対してアプローチを行い、ある程度一定のファンを育てておくことが大切ですね。
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