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【過去の失敗談】ブランド名が全く決まらなかった時の話

DATE . 2024.02.29

UPDATE DATE . 2024.11.15

Category : ブランディング

Nakamura Hiroki
ジャーナルを書いた人Nakamura Hiroki

Creative Director

1981年生まれ|ブランドマネージャー1級/インターナルブランディング 認定コンサルタント プラクティショナー/WEBマーケティング検定/ネットショップ販売士/WEBデザイン技能士

【過去の失敗談】ブランド名が全く決まらなかった時の話

もうだいぶ前の話になりますが、
前職の機会メーカーで新規サービスの企画開発メンバーの一員として働いていた頃、
とある企業さんにブランディングの支援を依頼していました。

その当時はまだ本格的にブランディング戦略を学ぶ前で
担当していただいた方にヒアリングしていただきながら、
まずはブランドアイデンティティとブランド名の構築を進めていました。

順調にヒアリングが進み、いよいよブランド名を決めるフェーズ。
チーム内でいくつか案を出し合いつつ、ご支援いただいていた会社さんからもいくつか案をいただきました。

いくつもの案を目の前にし、「さぁ、どれにしようか?」とチーム全員で選択しようとした時。

なぜか、メンバー全員の表情が浮かばない…。
もちろん私も。

「パッと聞いて頭に残るような、響きが良いものがいいよね」
「おしゃれな名前が良い」
「ちょっとギャクっぽいのはどうかな?」

などの意見が飛び交い、なんとか絞り込もうとしていました。

ですが結果的に、それらの案の中からは選ばれることなく、
誰かがパッと思いついたネーミングで最終確定。

・・・

本来、対象となる「サービスの特徴(USP)」や「新しいサービスを始める背景」を整理し、
そこから導き出されたブランドアイデンティティを軸としてブランド名を決めます。

にも関わらず決まったブランド名は、
ブランドアイデンティティとは一切関係のない響き重視のもの。

これまで皆で議論しながら積み重ねてきたロジック(戦略/意図)が
ブランディングにおいて最も重要な要素の一つのブランド名に
一切落とし込まれずネーミング会議は終了しました。

ブランディングという戦略にわずかな知見しかなかった当時の私も、
「何か違う」という違和感はあったものの、それをうまく言語化ができなかった。。

こうなってしまった原因は、そもそもプロジェクトの目的意識が薄れてしまっていたことや
ブランド名を決める上で考慮しなければいけないことをうまく整理できていなかったことが挙げられると思います。

が、、、根本を辿れば、そのプロジェクトに参加していた人たちが、「今生み出そうとしているサービスの魅力やその魅力を欲している人物(顧客)は誰なのか?」が見ていたようで、全く見えていなかったのだと思います。
(知った気になって、主観で判断することがどれだけ恐ろしいことか。)

つまりこのプロジェクトにおいての問題は
ブランド名の案(発想力とか言語化能力とか)に問題があったわけではなくて、
そのフェーズに至るまでの過程や体制、リサーチに問題があったということです。

結果的に上記の要因がサービスリリース後の数字にも影響しました。
(もちろん決して喜べない数字)
とにかく悔しかった思い出です。

・・・

よく「ネーミングやデザインは好みだ」という話を耳にします。
そういった直感的なものは、実は100%の中のたった1%くらい(この1%も超重要だが)なもので、
99%はあらゆる専門知識、使い方、顧客ニーズ、想いなど、
それぞれの点になっていた要素を線で繋ぐようにして作り上げられていくべきだと思っています。

ブランディングの支援をする立場になり、なんだかんだ当時の悔しかった思い出が原動力になっています。
まずは対象ブランドを「好きになる」そして徹底的に「知る」。
(リサーチが大事)

ブランド名がなかなかうまく決まらないという方は、
ぜひもう一度その「ブランドの意味」を深掘りみることをお勧めします。

今生み出そうとしているブランドは誰のためのもので、今後どのような存在として選ばれ続けてほしいですか?

それではまた!

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