
性能も価格もAIで比べたあと、何で選ぶか
性能も価格も、AIに聞けば比べられるようになりました。条件を伝えれば、合いそうな候補が並ぶ。口コミや通販サイトを行き来して自分でやっていた見比べを、AIが代わりにやってくれます。
比べるのが簡単になるほど、スペックと価格だけでは違いが見えにくくなります。
AIが先回りしても最後に選ぶのは人
AIがもう一歩進むと、こちらから探す必要すらなくなるかもしれません。来週から気温が下がりそうです、去年のコートも古くなっていますが新しいものを探しますか、とAIのほうから聞いてくる。お願いと答えると、好みや予算、手持ちの服との相性まで考えて候補を出してくれる。
その中から、これがいい、と言えば購入まで終わります。そういう世界は、それほど遠くないと感じています。
候補を出すところまではAIがやる。これがいい、と選ぶ一言は人が言います。
好きだから買いたいという気持ち
性能と価格で差がつかないとき、人は何で選ぶのか。なんとなくこの会社が好き。この人たちから買いたい。このブランドの考え方に共感する。そういう気持ちが、これまでより大きな意味を持つようになると思います。
AIがブランドとの出会いをつくり、そのあと人がファンになる。そんな流れが増えていくと見ています。
スペック表に出てこない雰囲気や人や背景
好きになるきっかけは、AIに紹介されたあとに人が見るところにあります。
まず目に入るのは、ホームページを開いたときに感じる雰囲気です。写真や文章から受ける印象は、スペック表には出てきません。そこで働いている人も、この人たちから買いたいと思えるかどうかに関わります。
商品が生まれた背景と、会社の考え方も手がかりになります。なぜこの形にしたのか、どういう人に使ってほしいのか。発信している言葉が、この二つを伝えることもあります。
買ったあとの体験も、好きになるきっかけのひとつです。
こうしたものは、AIが比べるのを得意にしている性能や価格とは別のところにあります。だからこそ、比べやすくなるほど重みを増すのだと思います。
推薦されたあとまで設計する
これまでのマーケティングは、見つけてもらう方法を考える仕事でした。これからは、AIに推薦されたあとに人に好きになってもらえるかどうかまでが、設計の範囲に入ってきます。
実際に出会ってくれた人が、好きになってくれるブランドをつくる。AIが進化するほど、雰囲気や人や考え方といった、スペック表の外にあるものが選ぶ理由になっていくと考えています。



