住宅会社に必要なのは“薪になるブランド設計”
DATE . 2025.09.24
Category : 住宅会社のブランディング

Creative Director
1981年生まれ|ブランドマネージャー1級/インターナルブランディング 認定コンサルタント プラクティショナー/WEBマーケティング検定/ネットショップ販売士/WEBデザイン技能士
© 2024 TONE BRANDING.
DATE . 2025.09.24
Category : 住宅会社のブランディング

Creative Director
1981年生まれ|ブランドマネージャー1級/インターナルブランディング 認定コンサルタント プラクティショナー/WEBマーケティング検定/ネットショップ販売士/WEBデザイン技能士
どうも、中村です。
最近、住宅会社の広告やSNSを見ていると「映えるデザイン」や「おしゃれな写真」を前面に出した発信をよく目にします。確かに、SNSで目を引く外観や写真映えするインテリアは、多くの人の興味を集めやすい。問い合わせや来場予約につながることもあります。
しかし、ここで一度立ち止まって考えてみましょう。
その「映え」は、御社のビジネスを長期的に支える“薪”になっているでしょうか?
SNSで話題になる瞬間的な集客は、火をつける“火種”のようなものです。一時的に注目を集め、多くの人にシェアされる。確かに大切なきっかけにはなります。
けれど火種だけでは、すぐに消えてしまう。
大事なのは、火を持続させるための“薪”になるブランド要素です。
住宅会社における薪とは、たとえばこんなものです。
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●時間が経つほど安心が深まる性能やアフターサポート
●暮らしの中で「やっぱりこの家にしてよかった」と感じられる住み心地
●家族の思い出を刻み続けられるストーリー
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この“薪”があるからこそ、火は長く燃え続け、紹介やリピート(建て替えやリフォーム)につながるのです。
住宅の購入検討者も、最初は「見た目」で惹かれます。おしゃれな外観やモデルハウスの写真に心を動かされ、「一度見に行ってみようかな」と思う。
でも、契約や最終的な選択を決めるのは「中身」です。
●住んだ後の安心感はあるか
●担当者や会社の姿勢に信頼を持てるか
●家族に寄り添った提案をしてくれるか
こうした部分が伝わって初めて、「この会社に任せたい」という気持ちになります。
つまり、映えるデザインを見せること自体は悪くありません。ただ、それだけでは長く愛されるブランドには育たないのです。
住宅会社において“薪”を育てるカギは、体験設計にあります。
たとえばモデルハウスを例に考えてみましょう。
単に映えるインテリアを配置するだけではなく、
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●どんな想いでこの空間をデザインしたのか
●家族が住んだとき、どんな時間を過ごしてほしいのか
●見学後に「また来たい」と感じてもらう工夫があるか
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ここまで考え抜いて初めて、「この会社はただ家を売っているのではなく、暮らしを大切にしている」と伝わります。
体験は人の記憶に残ります。写真だけではなく、心の奥に残る体験を提供できるかどうか。ここにこそ差がつくのです。
短期的な「映え」に力を注ぐ前に、一度考えてみてください。
御社の家づくりは、お客様にとって“写真映えする家”で終わっていませんか?
それとも“暮らしの思い出に残る家”になっていますか?
長期的に選ばれる住宅会社に共通するのは、「映え」よりも「記憶」に残るブランドづくりを大切にしていることです。
まずは採用ページやSNS、パンフレットに、こんな言葉を入れてみてください。
「私たちが家づくりで大切にしている想い」
「この家で過ごしてほしい時間や体験」
「お客様の暮らしをどう支え続けたいか」
条件やスペックだけではなく、御社の“言葉”で想いを伝えること。
それが、「映えのその先」を感じてもらえるためには大切です。
「映え」は注目を集める火種にすぎません。
ブランドづくりとは、火種ではなく薪を育てることです。
短期的な「映え」にとどまらず、10年先、20年先も「やっぱりこの会社で建ててよかった」と思っていただけるようなブランドを、一緒に育てていきましょう。
それではまた!