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【ブランドパーソナリティの重要性と作り方】キャラクターの解像度を上げブランディングを加速させる

DATE . 2024.08.06

UPDATE DATE . 2024.08.08

Category : ブランディング

Hagiwara Masataka
ジャーナルを書いた人Hagiwara Masataka

Branding Director

周囲からブランディングバカと言われるほど四六時中ブランディングやクリエイティブを探求している。
目標は変化を願う方の挑戦を誰よりも強く支えられる人になること。

【ブランドパーソナリティの重要性と作り方】キャラクターの解像度を上げブランディングを加速させる

こんにちは!
ブランディングディレクターの萩原です。

今日は【ブランドパーソナリティの重要性と作り方】キャラクターの解像度を上げブランディングを加速させる。
というテーマについてです。

ブランドパーソナリティとは

この記事ではブランディングにおいてのブランドパーソナリティ重要性と作り方を解説していきたいと思います。
そして、極論すればそのキャラが自分達のなかでも腑に落ちていなければブランディングするのは不可能ということについても。

ブランドパーソナリティの定義について触れておくと、
ブランドパーソナリティとは、ブランドや個人の一貫したイメージや性格、行動パターンのことです。
いわゆるブランドを人に例えた場合にどのような性格や人格を持つかを指します。

ブランドパーソナリティという専門用語だとなんだかわかりにくいので、
今回はブランドパーソナリティのことを日常的によく使う「キャラ」という呼び方で話を進めていきたいと思います。
(キャラ=ブランドパーソナリティのことを指しています。マスコットキャラクターのことではありません。)

ブランドパーソナリティがブランディングを加速させる3つの要因

早速ですが、まずはじめに、自社ブランドのキャラの解像度を上げることが、
ブランディングを加速させる要因は、大きく分けると3つあります。

1.一貫性が保てる(わかりやすくなる)
2.行動量(施策の量)が増す
3.ステークホルダーと機能以外の感情的な点で繋がりを持てる

一つずつ解説していきます。

一貫性が保てる(わかりやすくなる)

話題になっているブランドや息の長いブランドは共通して「キャラが強烈」という特徴があります。

そしてキャラが強烈であることは、そのキャラらしくない言動は徹底して排除されているからこそ、
「これはこんなブランドなんだな」ということが、とにかくわかりやすく記憶にも深く刻まれます。

相談を持ちかけられやすいキャラ

少し極端な例え話ですが、
僕の友人にKくんという方がいて、とにかく真っ直ぐな男性です。
その人は自分にも相手にも嘘をつかない人物で、
少しでも理解できないことやどうしても腑に落ちないことがあれば、
いつも現場に赴き、見て、触れて、対話して、を繰り返し行なっています。

雑談している時は基本ふざけているのですが、仕事の話となると超真面目。
常に本質に目を向けながら妥協しようとする人を許さず、
ゴールに向かって突っ走っています。

おそらく僕も含め、Kくんの知り合いは、Kくんに対して、
「あいつは薄っぺらいし、その場の空気を読んで簡単に嘘をつくし、裏切る奴だ」と思っている人は一人もいません。
むしろ、「何か困ったことがあった時、率直な意見が欲しい時はKくんに相談したい」。
そう思う人が大半だと思います。

この信頼性は、Kくんの「とにかく素直で誠実。そして周囲の人を大事にする」というキャラが、
普段の発言や行動の一貫性から読み取れて、わかりやすいからこそ周囲に浸透しているのだと思います。

人物だけでなく企業、商品、サービスのキャラも大事

上記の例は「人」でしたが、これは企業、商品、サービスにおいても同様です。
例えば、僕はあまりファッションには関心がないのですが、
「ザ・ノース・フェイス(以下TNFで表記していきます)」の服はよく購入しています。

TNFの服って着てみるとわかるのですが、
機能性が高く、ゆるく着こなせて、着るとなぜか外出したくなるんですよね。

そんなTNFについて調べてみると、運営会社は以下のようにTNFというブランドを定義付けられていました。
ブランドミッション→自然環境保護に積極的に関わり、持続可能な地球環境を創造する
ブランドビジョン→アウトドア業界の中で常に最高の製品を作り続ける
コアバリュー→自然の素晴らしさを自らが楽しみ、より多くの人を楽しませる

これは1966年の創業当初から変わっていないそうなんです。

また、タグラインとして掲げているのは、「Never Stop Exploring(飽くなき探究心)」。

全ての言葉がTNFらしいですよね。

顧客の立場で見ても、TNFに対するブランドイメージと
上記の言葉たちに一切の乖離がありません。
そしてそんなTNFが好きなんですよね。

客観視できるから一貫性が保たれる

なぜキャラ設定を行うことによって一貫性が保たれるのか。
その要因として個人的に最も大きいと思っているのが、「ブランドを客観視できるから」だと思っています。

ブランディングを進めていく上での困り事TOP5には必ず入ってくるのが、
「どうしても主観的になってしまい、迷走してしまう」という悩みです。
この悩みはキャラ設定を行うことによって間違いなく解消されると思います。

ここでも人で例えるとわかりやすいのですが、
誰かに自分のキャラについて説明するよりも、親友のキャラについて説明する方がスラスラと説明できると思います。
それは客観的な立場から無意識にでも、日々の親友の発言や行動を観察、分析しているから、
いざ親友について聞かれた時に言語化しやすいのだと思います。

なので、キャラが明確でブランディングが上手い会社や人は、
対象ブランドのことを「別の人格を持った一つの物語の主人公」くらいに思っているはずで
そのレベルまでいくと冷静にブランドのことを観察、分析できます。

例えば、ブランディングを推し進めているブランドのネーミングが「Aブランド」だとするならば
「Aブランドはきっとこんな発言しないよね」
「Aブランドならきっとこういう場面の時こんな判断するはず」
「Aブランドは頑固な奴だから、きっと誰かに何か言われても曲がらないよね」
などの見方ができるようになります。

つまり、どんな状況においても「Aブランドっぽい」行動やコミュニケーションが取れる状態になる。

ちなみにこれはセルフブランディングにおいてもかなり有効です。
どこかのインタビューで聞いたのですが、元メジャーリーガーのイチロー選手も
「鈴木一郎」と「イチロー」でキャラが違うそうで、本人も意識的にキャラを上手に使い分けているそうです。
(自分の中で、この時イチローだったらこうするはずだみたいな感じで)

行動量(施策の量)が増す

次に「行動量(施策の量)が増す」について。
大前提として人はルールがなければ、なかなか身動きが取れない生き物です。

そしてキャラクターの具体的な設定はある意味、ブランディングを推し進める上でのルールづくりみたいなもので、
つまるところキャラクターの設定が曖昧であれば、ブランディングは停滞してしまいます。

それはなぜかというと、キャラが曖昧だと運用していく担当者が、どうブランディングしたら良いかわからなくなるからです。

マーケティング施策やキャンペーン企画の立案はもちろんのこと、SNSなどで情報発信する際、
コンテンツ内容(発言内容)や言葉尻、写真のテイストなどにも”迷いが生じて”実際に動かすまでに大幅に時間がかかるわけですね。

ルールがなく、自由であれば動きやすくなると思われがちですが、
実はそうではなく、一定のルールがなければ共通認識も持てなくなるのでかえって行動量が激減してしまうのです。
(複数人で一つのブランドを運営する場合は特に迷ってしまう)

ちなみに、ルールに沿うべきポイントが明確なほど、
思考すべきポイントも明確(余白が明確)になるので企画自体もブランドの独自性に沿って尖らせやすくもなります。

もちろん、ガチガチに縛り付けるようなルールだとかえってつまらなくなるので、塩梅が難しいところですが、
ある一定のルールは道路でいうところのガードレールみたいなものです。
なのでキャラの解像度を高め、それがルールとして浸透すれば、
行動量も増えますし、企画も尖り、もちろん1で書いた一貫性が保たれるというメリットも得られます。

ステークホルダーと機能以外の感情的な価値で繋がりを持てる

ブランディングはよく「ファンづくり」とも言われているように、
ブランディングは顧客も含めたあらゆるステークホルダーと感情で繋がることを目的としています。

そんなブランディングを推し進めていく中で、
企業側が自ら機械的なコミュニケーションをとっていたらブランドはなかなか成長していきません。

そもそも法人(企業)は「法律によって人格を持っていると認められた組織や団体のこと」を指しているので、
いくら企業と個人のコミュニケーションだったとしても
イメージ的にはやっぱり人と人とのコミュニケーションとして成立させたいところです。

例えとしてわかりやすいところだと、企業アカウントのSNSに限らず、
企業や商品ブランドからの情報発信ってなんだか堅苦しく、
それに発信する情報自体も機能的な情報、インフォメーション系のみに留まってしまいがちです。

オフライン(対面)の場合はなんとかなるところもあるのですが、
オンラインになると急激に人と人とのコミュニケーションが難しくなる。。

けれども現代人の情報取得のインフラはインターネットなので、
オンライン上でブランディングを継続して行かなければならない。
というよりもオンラインとオフラインをうまく融合して
ブランディングを行うことが求められていると思います。

そうした状況下においてもキャラクター設定が大いに役立ちます。
なぜなら場所に影響を受けずにどんな場所や場面においても
決めたキャラ設定に沿ってコミュニケーションをとれば良いだけだからです。

オフラインだろうがオンラインだろうが、もしくは、個人だろうが企業としてだろうが、
シンプルに、決めたキャラの日常を描き、そのキャラの立場から相手を想像して行動を起こし、
人と人としてのコミュニケーションをとれば良い。

そんな考え方です。

これを日常的に繰り返し行っていくと、
あらゆるブランドとの接点から個性が感じられるようになり、
共感や信頼という感情的な繋がりが持てるようになっていきます。

(ブランド力が向上する)

【ブランドパーソナリティの作り方】キャラクター設定を行う方法

ここからは具体的にキャラの設定方法を解説していきます。
普段、企業のクライアントさんに対して行うブランディング支援では、
今回書くこと以外にも多くの分析や設計を行うのですが、
この記事ではより設定しやすいように要点をピックアップして書き残していきたいと思います。

理想の姿は何なのか?

具体的にキャラ設定を行う前に、そもそも理想とするゴールが決まっていなければキャラクターの考えようがありません。
そのブランドがどのような世界観を望んで日々活動するのかが明確になっていることでキャラクターが浮かび上がってきます。
(これは、「人」に限らず、商品やサービス、企業においても同様に。)

その理由は、「ブランディングにおけるキャラの設定は一つの戦略である」という考え方に基づいているからです。

戦略とは、超ざっくり言ってしまうと、
「最短ルートで目的地に向かうために資源をどう配分するか、どう使うかを選択すること」だと思っています。

つまり目的(ゴール)がなければ、戦略の立てようがなく、キャラの設定もできないわけなんです。
目的から逆算していくような考え方です。

では、理想は何なのか?と考えてみようとしますが、
スパッと出てくる人はなかなか少ないのではないかと思います。

少し難しく考えてしまうからうまく言葉にできない側面もあるかと思います。
例えば、「周囲に誇れるものの方が良いのではないか?」や「現実的に無理なんじゃないか」など…
ただこの段階では正直「何でもいい」と思っています。

余計な制約を取っ払って、ざっくばらんに「こうなったらいいな」「ああなったら楽しそう」
「〇〇のような古い常識がなくなっていたら良いな」くらいざっくりでも可です。

この段階では、自分もしくは対象ブランドの理想をとにかくたくさんイメージすることがポイントです。

もちろん、具体的だとそれはそれで良いですが、無理やり答えを出そうとすると方向性がずれてしまうので、
「今はざっくりとこんな感じかな」くらいにまとまっているだけで全然良いと思います。

今話した流れをまとめると以下のような感じです。

1. 制約を取っ払ってブランドの理想とする姿をとにかくたくさん書き出してみる(100個でも200個でも)
2. なぜその理想を目指すのかを書き出してみる
3. 書き出してみた内容で似た要素があればまとめる(グルーピング)
4. 「今はざっくりとこんな感じかな」くらいの粒度で良いので、理想の姿を文章化してみる。
5. 今後ブラッシュアップしていくことを想定して、4でまとめた文章を付箋か何かに書き出し目立つところに貼っておく

このようなイメージです。

もしどうしても理想像が出てこない場合は、逆に「こうなっているのは絶対嫌!違う!」という
Not理想像をから考えてみるのも一つの手です。

案外理想の反対の方が書き出しやすかったりもするので、この方法もおすすめです。

Not 理想像がたくさんかけたらその裏返しが理想像に近しかったりするので、
何となくでも理想像が浮かび上がってきたら上記と同様に3以降のステップへ進むようなイメージです。

モデルを設定、分析、真似してみる

いよいよキャラクターを詳細に設定するフェーズです。
キャラクターを考えるにあたって最も簡単な方法は、
先ほど考えた理想像に最も近しい有名人やアニメの登場人物を考えてみます。

元々「学ぶ」は「まねぶ」からきており、「まねぶ」とは「真似る」(模範する)という意味です。

人もブランドも成長していくにあたってこの考え方は非常に重要で、
全く誰の真似もせずに初めから我流で圧倒的な成果を出してしまう人はかなり稀です。

だから”まずは”徹底して真似してみること。
(オリジナリティはその後の話)

なので理想像に最も近しい有名人やアニメの登場人物を選択し分析する必要があります。
選択ができたら分析しておきたい要素は以下になります。

・行動指針(行動の基となる判断軸など)
・行動範囲
・行動パターン
・第一印象
・身につけているもの
・服装や髪型
・常に持ち歩いているもの
・口癖
・言葉のテイスト(冷静に言い切る感じなのか、熱く語る感じなのかなど)

です。

これらが分析できたら真似できるところから真似していきましょう。

ここで一つポイントなのが、
もちろん思考回路や発言内容なども真似できれば楽ですが、それはなかなか難しいと思います。
これらは長年培われてきたものなので真似するにしてもそう簡単にはできません。

なのでまずは、目に見えるところから真似していくことが大事です。
極端な話、髪型や服装、歩き方、よくいく場所など…

何度も言いますがこれは「人」だけに当てはまる話ではありません。
企業や商品、サービスなど全てのブランドのキャラ設定に役立つ話になるので、
取り入れられる部分は臨機応変に取り入れてみていただきたいなと思います。

絶えずブラッシュアップする。

キャラクターを一度設定して終わりではありません。
目に見えるわかりやすいところから真似してみて、とにかく行動しながら何か感じたことがあればメモをとり学ぶ。

腹落ちすることがあればそのまま取り入れ、違和感があればやめてみる。
そんな感じで少しずつ解像度を高めていくことがおすすめです。

また、そのキャラクターが存在する「場所」についても考えておく必要があります。

場所というのは、いわゆる環境のことを指しているのですが、
ここでいう環境というのは「周囲の人」になります。

どういう人がいる場所に身を置くのか??
それによって、価値やブランドの成長度合いは大きく変わりますし、
冒頭の方で述べた「戦略」の効果も変わります。

そもそも個性は案外自分以外の誰かによって大きく左右されるものです。
だから理想像に近づいていくためには、上記で設定したキャラクターがいそうなコミュニティに入ってしまうのが一番早いんです。

模範とする理想像のキャラを掴んでいく中で、自ブランドのオリジナリティも少しずつ掴めてきたら(これもメモをとっておく)、
また違った場所へ飛び込むことも検討してみると良いかもしれません。
そこがそのキャラが最も活きる場所になり得たりします。

ちなみにこのあたりから「憧れ」と「らしさ」の違いにも気づくようになってくるはずです。

最後に

ここまでブランディングとキャラクター(ブランドパーソナリティ)の関係性を紐解いてきました。
よく聞く「らしさを大切に」という価値観と少しかけ離れた部分の話もあったと思います。

ただ、「らしさ」について考えてもなかなか出てこないものです。
確かに「その人らしさ」「そのブランドらしさ」は存在すると思うのですが、いざ言語化しようとすると難しい。

これは「らしさ」という言葉や考え方だけが一人歩きしてしまって、
まだ多様な価値観に触れられていなかったり、
重大な局面で決断したり、行動起こした経験が少なかったりで
自分と他者(自ブランドと他ブランド)の区別がついていないからだと思います。

だからまずは、過去を振り返りつつ、未来を見据えて、
“今”に学びながら(真似をしながら)動いてみることが大事なのではないかと思います。

そうしているうちに、一貫している価値観や
そのブランドとして大切にしたい人(理想とする顧客/ペルソナ)の解像度が上がり、
らしさや独自性みたいなものが滲み出てくるはずです。
(独自のブランドイメージになる)

実際のブランディングの現場では、
今回書いたこと以上にさまざまなことを検討、検証しながら
ブランドの背骨となるコンセプトやキャラクター設定を行っています。
▼以下の画像は大まかなステップです。

ですが、今回書いた内容でも十分ブランディングを加速させていくことができると思っています。
あとはやるかやらないか、継続するかしないかだけです。

それではまた!

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