
AIが説明する自社を、見ていますか
会社の名前は、いま2つの経路で人に届いています。ひとつは検索で、自分のサイトが順位で並ぶ経路。もうひとつはAIで、誰かが書いた記事をAIが読んで、要約して答える経路です。
後者は、自社サイトを直しても変わりません。読まれているのが、自社サイトではないからです。
実際に測ってみた
先日、自分たちの会社まわりで実測しました。地方の一業種で、自社と同業5社、合わせて6社分の検索順位を並べています。結果は、事業の言葉で20位以内にいる会社が6社中ゼロ。順位を持っていた119件も、中身はブログ記事と取引先の会社名でした。仕事につながる言葉はありません。1件も順位を持っていない会社もありました。
一方、AIが会社名を挙げるときに参考にしていたURLも集めました。同業のサイトに混ざって、「おすすめ◯社」型の比較記事が並んでいます。
つまり、誰も検索順位を持っていない市場でも、AIは何かを読んで会社を挙げています。読んでいるのは、自社サイトとはかぎりません。
想起される場所が、外に移っている
ブランドは、思い出してもらえてはじめて選択肢に入ります。これまで、その想起の入口は、口コミと検索と広告でした。そこにいま、AIの答えが加わっています。
ここで起きている変化は、「順位を上げる」から「引用される」への移動です。順位は自分のページで戦えますが、引用は他人のページを経由します。自社で完結しない。
だとすると、打ち手も変わります。自社サイトを整えることに加えて、AIが読んでいる場所に自社の情報が置かれているか、という視点が要ります。
名前がぶつかっている、という別の問題
測っていて、もうひとつ見つかったことがあります。
AIが、社名の似た別業種の会社を混ぜて答えていました。建設業と、空間デザインの会社です。まったく違う事業なのに、名前が近いというだけで同一視されている。
これは検索対策の話ではなく、ブランド名の問題です。名前が競合と衝突していると、こちらがどれだけ情報を出しても、相手の情報と混ざって出ていきます。
対処は、順位を上げることではありません。社名と事業と地域が必ずセットで書かれた文章を、外に増やしていくことです。AIは文脈で区別するので、区別できる材料を渡すしかありません。
四半期に一度、確かめる
この手の変化は、一度整えて終わりにはできません。答えが毎回同じではないからです。
おすすめしたいのは、四半期に一度、同じ質問を同じAIに投げて記録することです。見るのは3つ。自社の名前が出たか。一緒に挙がった会社は誰か。参考として示されたURLはどこか。
3つ目に自社サイトが無く、比較記事ばかりが並んでいるなら、そこがいまの入口です。自社サイトの前に、その入口を見にいくほうが近道になります。
まずは、自社の名前をそのまま入れて「どんな会社ですか」と聞いてみてください。事実と違う説明が返ってくることは、珍しくありません。



