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Journal ジャーナル
合うお客様に見つけてもらう、魅力の出し方
2026.09.17

合うお客様に見つけてもらう、魅力の出し方

ブランディングと聞くと、ロゴを作ったり、ホームページを整えたりすることを思い浮かべる方が多いかもしれません。ロゴやホームページのほかにも、大事な役目があります。自分たちと相性のいい人に、自分たちのことを知ってもらうことです。

言いかえると、ブランディングはマッチングの精度を上げる仕事だと、僕は考えています。

たくさん集めるより、合う人と出会う

お客様をたくさん集めれば、売上は上がるかもしれません。でも、価格だけで比べられる相談や、価値観の合わないお客様が増えていくと、お店を続けるほど疲れてしまいます。

反対に、考え方を分かったうえで来てくれるお客様が増えると、無理な値引きをしなくて済み、仕事を抱えすぎることも減っていきます。お互いに気持ちよく仕事ができる相手が増えるほど、お店は続けやすくなります。

そういうお客様に見つけてもらうためにできるのは、自分たちの魅力を、いろんな角度から外に出しておくことです。

魅力を出す、五つの角度

  1. 得意なこと:何を頼まれたとき、いちばん力を出せるか。
  2. この仕事をしている理由:なぜ、ほかの仕事ではなくこれを選んだのか。
  3. 考え方:仕事を進めるとき、何から先に決めているか。
  4. 大切にしていること:忙しい日でも、手を抜かないのはどこか。
  5. 働いている人:どんな人が、お客様を迎えているのか。

ひとつの角度だけでは、見た人に伝わるのはお店の一面です。角度が増えるほど、見た人は、ここが自分に合うかどうかを判断しやすくなります。

街の花屋で書いてみる

ここからは作例です。駅から少し離れた住宅街で、夫婦二人で営む花屋があるとします。インスタグラムには、店頭に並んだ花の写真と「本日入荷しました」の投稿が続いています。花はきれいですが、伝わっているのは五つのうち「得意なこと」の一部です。

五つの角度で、ひとことずつ書き出してみます。

  • 得意なこと:「贈る相手のお話を伺ってから、色と花を選ぶ花束が得意です。」
  • この仕事をしている理由:「祖母を見送る日に、花屋さんが祖母の好きだった色で花をまとめてくれました。それが、この仕事を始めたきっかけです。」
  • 考え方:「ご予算より先に、どんな場面で渡すのかを伺います。」
  • 大切にしていること:「毎朝、花の状態を確かめています。ご注文の前に、その日の様子をお伝えしています。」
  • 働いている人:「花を束ねるのは妻、市場での仕入れと配達は夫が担当しています。」

こうした投稿が並ぶと、「安い花束を急ぎで」という人より、「退職する上司に、その人らしい花を贈りたい」という人のほうが声をかけやすくなります。お店が一緒に考えたい相談と、実際に来る相談が近づいていきます。

自分の発信を、五つの角度で仕分ける

  1. 直近の投稿やページを10件選び、それぞれが五つのどの角度を伝えているか、印をつける。
  2. 一度も印のつかなかった角度を書き出す。
  3. その角度で書けることを、ひとことずつ書き出す。材料が見つからないときは、最近来てくれたお客様に「このお店のどこを見て決めてくれましたか」と聞き、返ってきた言葉を控える。
  4. 次の10件のうち3件を、まだ出していない角度にあてる。
  5. 三か月後、問い合わせやご来店のきっかけに、その角度の話が出てくるかを見る。

全員に好かれなくても、お店は続けていけます。合う人が見たときに「ここだ」と気づける言葉を、五つの角度でそろえておく。ブランディングは、その準備を少しずつ続けていくことだと思っています。